吹き抜けの大きな空間に張り巡らされた沢山のカラフルな糸。「美しいインスタレーションだな」と思い、見上げながら階段を上ると、あたかも大学の備品のように整然と存在している箱があり、子供達が箱の表面にいくつもあるコップ状の凹みに耳や口を当てて「もしもし?」「きこえる?」「こんにちはー」と楽しそうに話しているのを見て糸電話だと気がつきました。驚きと発見と美しさ。今回のてづくりイベントを華やかに彩り、同じ時・同じ場所に集った知らない誰かと誰かを古くて新しい方法で繋げてくれた「糸電話」は、特別賞にふさわしいと全会一致で決定しました。  
 
 
 

このたびは、このような賞をいただきまして大変光栄に思います。これもみな、今回の全体企画に参加する機会を与えてくださっCANVASならびに慶應義塾大学メディアデザイン研究科教授陣のお力添えがあってのことだと思います。心から御礼申し上げます。
秋から場所との対話をはじめ,この大きな空間をうまく彩り、演出しながら、人と人をつなげることができないか、誰しもが参加できるプログラムができないかと学生や卒業生らと考え、試行錯誤を繰り返しながら、アイデアをカタチに具現化してきました。そのひとつが、「コミュニ毛糸de糸電話」であり、「マチノカタチ」、「コロコロボトルキャップ」との3部作でした。この賞は私たちにとって、何にも勝る大きな励ましです。これを機会に、さらに活動の幅を広げていく所存です。本当にありがとうございました。